The Body「No One Deserves Happiness」
- アーティスト: Body
- 出版社/メーカー: Thrill Jockey
- 発売日: 2016/03/18
- メディア: CD
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The Haxan Cloak や Thou 、Vampillia など様々なコラボによってその音楽性を柔軟に変容させている彼ら。今回は全編に女性ヴォーカル、そして前作「I Shall Die Here」から地続きのノイズ/エレクトロニクスを導入し、また新たな領域へと突き進んでいます。オープナー「Wanderings」では荘厳な女性クワイアが聴き手に畏怖の感情を起こさせ、そこへ腐臭漂うスラッジーなヘヴィサウンドが加われば完全に死後の世界。このクワイア参加は Sunn O))) なども以前に試みていた手法ですが、やはりパワフルなリズム、シャウトが加われば敷居の高さが幾分か緩和され、むしろ Chelsea Wolfe の近作に通じるストレートなダイナミズムへと転じています。また「Shelter is Illusory」「Two Snakes」などでのエレクトロサウンドも知的やクールといった印象には全く結びつかず、バンドの放つ禍々しさを助長させる方向のみに作用してる。このようにドゥーム/スラッジメタルに相反する要素を混ぜ込むという実験的な手法、彼らはそれをただ実験のまま手放しにはせず、元来のダークな魅力へときっちり組み込んでいるのが頼もしいですね。強烈さは相変わらず。
Rating: 8.1/10