DADAROMA「スタンチク」
- アーティスト: DADAROMA
- 出版社/メーカー: DADAROMA
- 発売日: 2016/06/15
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
表題の「スタンチク」とは15世紀頃にポーランドで名を馳せた宮廷道化師の名前。おそらく彼らの中でエンターテインメントらしく歌舞いていこうという精神の表れなのかなと思います。鋭くヘヴィに鍛錬されたメタル・アンサンブルと、場末のキャバレーを彷彿とさせるスウィングジャズ風の装飾、または近年の IDM の流行に沿ったシンセ類。楽曲によってそのいずれかの比重が強くなり、情報量を濃密に詰め込んだテン年代ならではの圧の強い V-ROCK が15曲。例えば MEJIBRAY 、あるいは LIPHLICH に近い方向性でしょうか。新曲を多く含んではいますが扱いとしてはベスト盤らしく、彼らの代表作と成り得るようにやりたいことを余すことなく詰め込んだ重量盤。ただ全体的に、最近の若手ヴィジュアル系の流行博覧会といった様相を呈しており、作曲や演奏面のクオリティは確かに高いものの、それ以上の彼らならではの個性というのがちょっと見えづらい。音作りが洗練され過ぎているせいかもしれませんね。音圧の上げられたエッジィなへヴィネスは往々にして画一的なものになりがち。ここから一歩抜き出た表現を期待しています。
Rating: 6.4/10