Subrosa「For This We Fought The Battle of Ages」

FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES(フォー・ディス・ウィ・フォート・ザ・バトル・オブ・エイジズ: +bonus track)

FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES(フォー・ディス・ウィ・フォート・ザ・バトル・オブ・エイジズ: +bonus track)

ソルトレイク出身の5人組による、約3年ぶり4作目。


彼らも一応はヘヴィメタルの範疇に属するバンドでしょうか。しかし女性ヴォーカルや2人のヴァイオリニストを擁する編成で紡がれる音は、所謂メタルサウンドからは随分と距離の置かれたものとなっています。徹底して身体をズルズルと引き摺るようなスロウテンポで統一され、ほとんどの曲が10分以上の長尺。その中で弦楽隊が物悲しく荒涼とした世界観を丁寧に築き上げ、そこに吹き荒ぶ嵐のようにスラッジーなヘヴィギターが放たれる。実験的でありながらひどくエモーショナル、果てしなくドラマチックなその楽曲群はドゥームメタルと言うよりも、むしろ MogwaiGodspeed You! Black Emperor などのポストロックの要素を強く感じさせ、悲痛なグロウルが差し込まれる場面では前述のバンド以上の重苦しさを見せる。ある意味インディバンドらしく洗練されないままの土臭さを残した音作りが結果的に生々しい迫力となり、しなやかさや美しさと同時に強い緊張感を生み出しています。個人的なハイライトはヘヴィな空気の密度がいよいよピーク値に迫る「Black Majesty」、面妖な雰囲気の中に儚い歌声が綺麗に映える「Troubled Cells」。

Rating: 7.5/10


https://soundcloud.com/profoundlorerecords/subrosa-wound-of-the-wardensoundcloud.com