おとぎ話「ISLAY」

ISLAY

ISLAY

1年9ヶ月ぶりとなる8作目。


まずオープナー「JEALOUS LOVE」に驚かされる。軽快に跳ねるファンキーなディスコビート、アーバンな夜の雰囲気を匂わせる曲調は彼らの新境地。ただ最近流行りの渋谷系再解釈シティポップに安易に寄っかったわけではなく、牧歌的なメロディの親しみやすさなど、洒脱な音の隙間から彼ららしさもしっかり滲み出てる。明らかなディスコ路線はこの1曲のみですが、その後の素朴なギターポップ曲にしても、以前のようなフォーキーないなたさよりはネオアコ調の少しばかり垢ぬけた印象を受けます。爽やかに甘酸っぱいメロディが弾ける「セレナーデ」、性急な疾走感がアドレセンスの焦燥へと繋がった「YUME」など特に、風通しの良い軽さを曲全体から感じる。前作「CULTURE CLUB」が彼らにとってかなり力の入った集大成であり、今作がそこから一歩外に踏み出した内容ということですね。まあそこまで革新的な方向転換というわけではなく、あくまでも今まで歩んできた道程を踏まえた上での変化。彼らがただ単純に良い歌を歌いたいがために活動を続けている、その姿勢にはなんらブレはないということです。

Rating: 7.7/10



おとぎ話「JEALOUS LOVE」(Official Music Video)