The Pains of Being Pure at Heart 「Days of Abandon」

DAYS OF ABANDON (IMPORT)

DAYS OF ABANDON (IMPORT)

ニューヨーク出身の4人組による、3年2ヶ月ぶり3作目。


「思うままの日々」 、それはきっと青春そのもの。あまりにも無責任かつ無邪気に振る舞い、未来への茫洋とした不安を押し殺すかのように、刹那の喜びと悲しみに満ち溢れた日々。デビュー以来そのキラメキを音にし続けてきた彼らですが、90年代初頭のシューゲイザーリバイバルど真ん中だった以前に比べると、ギターの厚みは抜けてネオアコ/ドリームポップに比重を寄せており、風通しが良くなってライトなポップ感となっています。 「Simple and Sure」 の軽快に跳ねるリズムの瑞々しい高揚感、 「Beautiful You」 の空気に溶けるような心地良い浮遊感、また 「Kelly」 「Life After Life」 での女性ヴォーカル起用も華やかな印象に輪をかける。例えば Ringo Deathstarr なんかもそうでしたが、彼らの中では本当に10代の頃から時間が止まっているんじゃないかと思うくらい、儚く美しいアドレセンスを一切の恐れなく描いているのだから、こちらはもう戻らない過去に思いを馳せて涙するほかない。バンドサウンド云々よりも単純に良い曲を書くことに徹し、タイムレスな魅力を打ち出した良作。彼らそのうち Belle and Sebastian みたいになったりして。

Rating: 7.4/10