ぼくのりりっくのぼうよみ「Noah's Ark」

1998年生まれ、横浜出身のラッパーによる約1年ぶり2作目。


思ってたよりも普通に J-POP でしたね。ラップ箇所もあるにはあるものの、それよりもファンタジックな美しさを基調としたエレクトロトラックに乗せ、棒読みとは正反対のしなやかかつ朗々とした歌を聴かせる、真っ当なポップス。その中で歌われる「ノアの方舟」とは何を差しているのか。ざっくり言えば生きる上での手法、解決策のようなものでした。情報過多の世界で何が正しいのか分からない、すっかり心を擦り減らして生きる意味を見い出せない、けれど結局ぼくはぼくのままでいいんだ!世界は実は可能性に満ちている!という自己啓発プレゼン。もしかすると他のラッパーとは一線を画した独自の世界観を見せてくれるのだろうか、という期待を勝手に抱いていたもので、結局言ってることのせせこましさに落胆は禁じ得なかった。モラトリアムの鬱屈を歌っているようで結論はストンと提示済み、その話が無駄に流暢すぎて何だか説教臭く、ともすればやたらと上段目線のスノビズムすら感じるのだけど自分が穿ちすぎなだけだろうか。例えば SEKAI NO OWARI にも通じる悪い意味での軽さ、不自然さを今作からも感じ取ってしまいました。

Rating: 3.2/10



ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Be Noble」ミュージックビデオ