skillkills「The Shape of Dope to Come」

The Shape of Dope to Come

The Shape of Dope to Come

2011年結成の3人組による、約2年ぶり5作目。


ILL から DOPE へ、メンバーは減っても音楽性はますます深みへ潜り続ける彼ら。8ビートを解体して不規則につんのめったリズム隊が奇天烈なグルーヴを生み出しつつ、フリーキーに鳴らされる不協和音バリバリのシンセ類はさらに奇天烈、ついでに「そして輝くウルトラソウル」だの「時には起こせよムーブメント」だののサンプリングで笑いを誘うラップも頭のネジが数本緩んでる。そういった彼らの核の部分は変わらず、今作はこまめにスキットを挟んで全体の構成に気を配り、曲毎の構造もジャムセッション然としたものではなくシンセリフやフックを際立たせる工夫が見られるなど、ある程度の秩序に基づいて作曲された印象が以前より強い。とは言ってもカオティックなインパクトが弱まったというわけではなく、輪郭をきっちり描いた方がはみ出した部分も伝わりやすいと言いますか、ある程度アレンジを整頓したぶん妙にポップな要素も際立ち、余分な難解さが抜けてキャッチーな変態と化しています。特に秀逸なのはやはり向井秀徳と K-BOMB がゲスト参加した表題曲「The Shape of Dope to Come」。この不可思議な三位一体こそ正しく DOPE 来るべきもの。

Rating: 8.4/10



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