花澤香菜「Opportunity」

1年10ヶ月ぶりとなる4作目。


前作「Blue Avenue」のテーマがニューヨーク/ジャズだったのに対し、今作のテーマは UK サウンドとのこと。いささかザックリし過ぎな気もしますが、皆さんは UK と言われたらどんな音楽を真っ先に思い浮かべますか。個人的には The SmithsOasisThe Verve 、あるいは Franz Ferdinand だったりするんですが、今回収録された楽曲を聴いたところそのいずれにも当てはまっているようには見えず、もしかすると自分の UK に対する認識はロッキングオンの史観にすっかり毒され、ひどい偏見に凝り固まっていたのではという内省の念を禁じ得ません。まあ Mick Hucknall(Simply Red)提供曲はさすがに UK だろうけど、渋谷系ネオアコ風味のポップロックキッチュなシンセポップなど、これまでの音楽性を改めて洗練させたような楽曲が多く、ひとつのコンセプトに縛られない幅広さに加えてメロディはドメスティックな感触も強いしで、自分にはどの辺が UK らしさなのかちょっと汲み取りにくかった。まあそれを抜きにすればいつも通りの良質ポップソング集ではありますが。中でもささやかな幸せに溢れた「brilliant」とプログレッシブ EDM な「Blue Water」が好き。

Rating: 7.0/10



花澤香菜 「Opportunity」(全曲試聴)