UNKLE 「The Road: Part 1」

The Road: Part 1 [36ページブックレット・解説付 / ボーナストラック1曲収録 / 紙ジャケット仕様 / 国内盤] (BRC544)

The Road: Part 1 [36ページブックレット・解説付 / ボーナストラック1曲収録 / 紙ジャケット仕様 / 国内盤] (BRC544)

ロンドン出身、 James Lavelle を中心とするユニットの約7年ぶり5作目。


デビュー当初は DJ Shadow も在籍してたということでトリップホップの出自を持つこのユニット。今回の新作でもシャープに研ぎ澄まされたエレクトロビートであったり、憂鬱と不穏が色濃く表れたメロディにはその影を確かに感じられます。ただ今作はそれ以上に、クラシカルな弦楽隊が曲の雰囲気をさらに重厚なものとし、また場面によってはリズムの圧が強くなってインダストリアルの様相を帯びてくるなど、その世界観は実にハードボイルド。澄み渡るコーラスが荘厳な雰囲気を醸し出す「Farewell」、もはやインダストリアル通り越してオルタナティブロックに肉薄する「Nowhere to Run/Bandits」、ハウストラックの涼やかなグルーヴが第一に身体を打つ「Arms Length」など、一貫してダークネスを保つ中で流れに起伏をつけ、全曲に異なるゲストヴォーカルを配す一方で小まめにインタールードを挟むといった具合に、アルバムとしてのトータリティを重視したコンセプチュアルな内容。それはまるでディストピア世界を舞台とした SF 映画のサウンドトラックのような。先鋭性や実験性よりも自らの表現の根本を突き詰めることに注力した、ある意味誠実な作品です。

Rating: 7.1/10



UNKLE - Looking For The Rain ft. Mark Lanegan, ESKA