V.A. 「D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~」

D? ERLANGER TRIBUTE ALBUM~ Stairway to Heaven ~

D? ERLANGER TRIBUTE ALBUM~ Stairway to Heaven ~

初の D'ERLANGER トリビュート盤。


自分が物心ついて音楽を聴き始めた90年代後半には当然デランジェは存在しておらず、後進のバンドに対してデランジェの影響を意識するということは正直あまりありませんでした。そんな自分も今作を聴いて、彼らの遺伝子がこれほどまでに根強いものだったのかと半ば驚いています。というのも、参加しているヴォーカリストがほぼ全員、確固たる個性を誇る HYDE清春ですら、ハスキーで荒々しい中に男らしい艶を感じさせるという kyo の歌唱方に引きずられているように見えるから。それはリスペクトを込めた上で敢えて寄せているのか、アグレッシブな曲調に沿った無意識なものなのか。そして全体的にドラムがやかましい。原曲の勢いを再現、もしくはメタル要素の注入でさらに強調したアレンジが多い中、下手すればギターやヴォーカル以上にドラムの音圧と手数が目立っているという音像は、それこそ TETSU 独自の美学にそのまま則ったものではないかと。自身のオリジナリティを打ち出そうとすればするほどオリジナルの影が濃く表れてくるという状況が多い中、原曲の強さになんとか打ち勝てていると感じたのは Angelo と DIR EN GREY でした。

Rating: 7.3/10



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