集団行動 「充分未来」
- アーティスト: 集団行動
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: CD
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どうやらインタビューを読むと、外からはスマートに見える彼らにもそれなりの衝突や葛藤はあったようで、そういった段階を経ての新作は基本の部分では変わっていない、けれど確実に変わった部分は見える。まず変化を感じたのは齋藤里菜のヴォーカル。前作では良くも悪くも個性が薄く、ともすれば棒読みとも思えるような印象があったのですが、ここでは多少の経験を積んだからかリラックスした雰囲気が通底しており、ここでようやく自分自身の特性を掴んだように見えます。「会って話そう」「春」のような優しいメロディではその柔らかく透明感のある声質が当然のように良く映えているし、クールで物憂げな色合いが出てくる「絶対零度」では曲調に合わせてその表情に微妙な変化が表われているようで、少しばかりハッとさせられる。またサウンド面においても不意にボサノヴァを挿入する「フロンティア」、ディストーションを大胆に噛ませたパンクナンバー「鳴り止まない」といった目新しさもあったりで、縦にも横にも順当に成長を果たした内容。真部脩一主導のプロジェクト的な体制から、真っ当なバンドらしさは確かに生まれてきてるかも。
Rating: 7.5/10