アーバンギャルド 「少女フィクション」

少女フィクション (豪華盤)(DVD付)

少女フィクション (豪華盤)(DVD付)

2年4ヶ月ぶりとなる8作目。


例えば古くから人間椅子だったり POLYSICS だったり、デビュー時にどれだけ色モノだとかすぐ消えるだとか言われようが、最終的には生き残ったものが正義なのだという事例。何せやりたいこと、目指すところが最初からバッチリ決まってるもんで、あとはそれを直向きに突き詰めていくだけ…と言葉にするのは簡単ですが、自分が心に決めたものをとことん突き詰められる精神力というのはこちらの想像を絶する厳しさなのかもしれません。彼女らもいつの間にやらデビュー10周年。今回の新作を聴いても思いましたが、本当に変わらない。もはや変わりようがないという感じか。フレンチポップ風味のメロディにゴテゴテしたシンセやバンドサウンドを組み込み、リビドーやらメンヘラやら戦争やらのモチーフを盛り込んでさらにゴテゴテと化した、アーバンギャルドとしか言いようのない味。彼女らは10年前と同じように痛々しく、10年前と同じように刺激的なまま。この有効な濃度を保ったままマンネリズムをひとつのイズムとして成立させるというのは、もはや生まれつき業を背負った者でなければ無理なのだろうなという気がする。10周年おめでとう。

Rating: 7.5/10



アーバンギャルド - あたしフィクション URBANGARDE - ATASHI FICTION