STRUGGLE FOR PRIDE 「WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.」

WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.

WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE.

1993年結成の4人組による、12年ぶり2作目。


ヴォーカルとドラムが奥底に引っ込み、ノイズギターばかりが強調された異形のハードコアという音楽性もさることながら、前作においてはカヒミ・カリイや MSC といった全く別の畑からのゲスト参加も話題を呼んでいた彼ら。この新作においてはそういったクロスオーヴァーの手法がさらに推し進められ、カヒミに続いて小西康陽中納良恵 (EGO-WRAPPIN') を招聘、またヒップホップ界隈からのトラックメイカーによるインストゥルメンタル、そしてクローザーには今年急逝した FEBB の楽曲まで詰め込まれ、もはやジャンル横断どころかアルバムとしての纏まりをすっかり放棄した、ミックステープあるいはプレイリストといった趣。この極端な落差が続く実験的な内容は、彼らの立ち位置から見た現在の東京のアンダーグラウンドをリアルに切り取った結果なのかもしれません。ただそれらの楽曲を連ねてもバンド本隊に新たな魅力が宿るわけでもなく、ハードコアバンドとしての彼らの主張はどうにも見えてこない。クラブカルチャーとハードコアの融合という手段が目的にすり替わってしまったような、音の暴力性とは裏腹にひどく頭でっかちな印象ばかりが残りました。

Rating: 3.8/10