神聖かまってちゃん 「ツン×デレ」

10ヶ月ぶりとなる9作目。


何故今になって10年以上前のネットスラングをタイトルに持ってきたのかは分かりませんが、中身は割といつも通りのかまってちゃん。現在でもの子の中で夏という季節は重要なモチーフのようで、夏休みシリーズとして新たに「33才の夏休み」が作られています。実際に33才になった歌詞中の主人公はノスタルジーと諦観に心を満たされ、何かが起こりそうで何も起こらないまま成るように成ったという感じで、この世知辛くビターな歌詞を爽やかにポップな曲調と合わせて聴くと何とも言えない気持ちになる。その他にも「8月の駅」や「ラムネボーイ」など、夏の風景の中でこの先どうなるだろうかという漠然とした不安と、それを無理矢理振り切るようにポジティブさをアピールする、その狭間で揺れている心境の描写が目立つ。何と言うか、「この先どんな大人になるのだろうか」から「大人になってしまったけどこれからどうしようか」になった感じで、微妙に変わったような変わってないような辺りがリアルですよね。曲調的にも変化が乏しいので過去の作品と比べると正直見劣りするのですが、少しずつ落ち着いていく彼らもそれはそれで良いのかも。

Rating: 6.5/10



神聖かまってちゃん「8月の駅」MusicVideo