Controversial Spark 「After Intermission」

アフター・インターミッション

アフター・インターミッション

鈴木慶一を中心とする5人組の、3年3ヶ月ぶり2作目。


20代から60代までの幅広い世代が集い、メンバー全員が作詞作曲に携わっているというところから、各々が過去の経歴に囚われずに新鮮な化学反応を楽しもうとする、ある種ロックバンドとしては至極真っ当なモチベーションを持っていることが伺えます。楽曲の方向性を定めるイニシアティブも全員ほぼ均等なのだと思いますが、自分の先入観によるせいか、結果として出てきた音にはやはりムーンライダーズの面影が見え隠れするというか、やはり根底の部分では同じ価値観を全員が共有しているのかなと。キュートな中にコケティッシュな雰囲気も見え隠れする konore のヴォーカルを中心に、泥臭いロックンロールから洒脱なラウンジテイストへ、ポストパンクの切れ味からエレクトロニカの音響性へ。ジャンルからジャンルへの綱渡りを何とも軽妙なステップでこなしていくような、豊富な音楽的素養に裏打ちされたユーモアが次々と展開される様は、それこそフォークやブルーズに端を発しながら、ニューウェーブワールドミュージックなどへの貪欲な探求を続けてきた鈴木慶一御大の遺伝子そのものに見えます。何気なくも痛快なポップ佳曲集。

Rating: 7.8/10