SPARTA LOCALS 「underground」

underground

underground

福岡出身の4人組による、約10年半ぶり8作目。


過去のスパルタローカルズからも HINTO からも地続きの、潔いくらい完全に彼ら独自の音という感じで笑ってしまった。XTC あるいは Talking Heads 、場面によっては INU にも通じるかもしれない、ともかくそういった70~80年代ポストパンク直系の鋭角に研ぎ澄まされたファンクネスの連打。さすがに初期スパルタの殺伐とした緊張感はありませんが、それを補って余りあるほどのタイトで強靭なダンスグルーヴが血肉を湧き立たせ、同時にユーモラスなアイディアの数々が聴き手をモクモク煙に巻く。素っ頓狂にシャウトする安部コウセイのハイトーンヴォイス、ガヤガヤした合いの手コーラスなどもベテランとは思えない微笑ましさ。もちろん能天気に踊っているばかりではなく、油断していると毒の効いた歌詞がチクチクと突き刺さってくる。特にハイテンションな勢いで耳に痛い皮肉を投げかける「battle」、また「GOD」での人間模様の風刺から美しい叙景へと移行する展開の妙にも思わず唸らされた。8曲29分と復活作にしては随分とこじんまりした構成ですが、そのぶん的が絞られて彼らの強烈な個性が密度濃く詰め込まれています。この異物感は今でもバッチリ有効。

Rating: 8.0/10



SPARTA LOCALS 「jumpin」(from『underground』) Live short ver