集団行動 「SUPER MUSIC」
- アーティスト: 集団行動
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2019/04/03
- メディア: CD
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前作の時もそうでしたが、齋藤里菜のヴォーカリストとしての技量の向上が手に取る様に分かります。そもそも真部脩一の歌詞スタイルからして歌に感情を込められないという前提があるのですが、控えめな抑揚の中で朗らかさや切なさといった表情の揺らぎを仄かに香る程度に見せる、その透き通ったスマートな歌声には自然と引き寄せられる魅力があり、バンドのフロントとしての存在感を十分に確立するに至っています。そして楽曲の面では様々なアイディアを盛り込んでアレンジの幅を一気に拡張。いきなりチープさでずっこけるディスコ風の表題曲「SUPER MUSIC」に始まり、真部本人もバラしていた通りまんま P-MODEL な「テレビジョン」にまんま The Brian Setzer Orchestra な「セダン」、何故かゴリッとヘヴィな厚みの「皇居ランナー」に何故かブルーグラス調の「パタタス・フリータス」等々、やたら賑やかな楽曲群。もちろんいつもの脱力系ユーモアも随所で目立ち、特に「スープのひみつ」や「婦警さんとミニパト」はある意味殺傷力高い。正規ベースもミッチーで決定したということで、パーマネントなバンドとしての充実っぷりがしっかり表れた快作です。
Rating: 8.1/10