圭 「4 deus.」

deus.

deus.

BAROQUE のギタリストによる、約7年ぶりソロ2作目。


前作とは打って変わってヴォーカルを入れずインストゥルメンタルのみ、しかも4曲40分超と長尺曲がメインの実験的構成になっています。溶けるような浮遊感を醸し出すエレクトロニクスを下敷きとし、その空間を目一杯埋め尽くすようにして鳴らされるギターサウンドの重層。そこには彼にとって昔からの素養であるシューゲイザー/ドリームポップからの影響も少なからず反映されていますが、その手の幻惑的ノイズが最たる主役というわけではなく、むしろメインはそのノイズ空間の中央でこれでもかと言うほど凛々しく鳴り響くギターソロ。彼が持ち得るであろうテクニックを最大限に駆使し、ともすればヴォーカルよりも深く情感の籠ったプレイを聴かせる。そこから発せられる聖性に満ちた暖かさは近年の BAROQUE 本隊と直接繋がるものだし、「vita.」の後半ではドラムンベース風の疾走感に雪崩れ込む圧倒的な展開を見せ、その深遠な音の広がりは SUGIZO イズムを彷彿とさせたりもする。エレクトリックギターという楽器の本来的な魅力を引き出すことに心血を注いだ、近年では珍しいくらい真っ当な意味でギタリスト然とした作品です。

Rating: 7.0/10



圭 (BAROQUE) - deus. (Full ver.)