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VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 3日目

LIVE

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今は、ラララ、狂って痛い…


NoGoD @ VISUAL STAGE

初日に X-SUGINAMI で出演し、次の日は都内でワンマンをやり、そして今日また朝方の出演となった NoGoD 。さすがにヴォーカル団長の声は時々苦しそうな所もあったけど、それでもお釣りがくるほどの巧者なパフォーマンス。見た目やバンド名とは裏腹に正統派メタルポップを演奏する彼らの中で、やはり団長という特異なキャラクターはやはり貴重なものだと再確認しました。この日は20分という短い持ち時間なので MC もほとんど排除していましたが、要所要所で手際よく煽り、ここぞというところではキッチリ笑いを取る。こう、今後も推していきたいなっていう愛着が湧きますよね。


Versailles @ JAPAN STAGE

薔薇の末裔たちが復活!この日はわずか3曲、しかし彼らの豪華絢爛な世界観を提示するには十分な内容でした。「Aristocrat's Symphony」で荘厳かつ熾烈なスピードで駆け抜け、「Sympathia」で大空へと飛翔するように壮大に音が広がり、「The Revenant Choir」で一気にカタルシスへと昇り詰めていく。このクッサクサの濃厚なヨーロピアン要素こそ彼ら以外では味わえないもの。改めて潔いバンドであるなあと。この日 KAMIJO は「かつてベートーヴェンモーツァルトが華やかな装いで名曲を演奏していたように、現代にはヴィジュアル系があります」と語っていた。相変わらずブッ飛んだ人だ。


Angelo @ SUMMIT STAGE

昔からずっとディル派だったもので、これがキリトとの初対面となったのでした。白いフードを被って表れたキリトは、その独特の声を発した瞬間に蛇の一睨みのごとく観客を痺れさせていました。サイバーパンクあるいはディストピア的世界観を提示する映像が流れるスクリーンの前で、キリトはマイクスタンドを何度も激しく叩き付け、グニャリと折れ曲がったスタンドを抱えて高らかにアジテートする。これが大地を蹴る鋼鉄の救世主…。PIERROT 時代のような振り付けこそ無くなったものの、90年代の頃から発揮されていたであろうカリスマ性は現在でも十分に有効なものでした。物理的にはもっとヘヴィなサウンドを出しているバンドは他にもいるけども、彼らの鳴らす音はひどく無機質で冷たく、神経性の毒のように身体に重く圧し掛かり、実際の音以上にヘヴィな印象を受ける。ようやく彼の魅力の本質に触れられたような気がしました。


THE SLUT BANKS @ JAPAN STAGE

ついに現れた死霊軍団。今回数多く参加しているバンドの中でも、頭に手拭い巻いて出てくるのは彼らぐらいのものでしょうね。純度100%のパンク/ロックンロール。個人的にはやはりギターの ACE DRIVER こと坂下たけともがね…。自分が高校生の時に見た SADS 以来、もう何年ぶりだよっていう再会。彼は今でもポジションを下げてグレッチを掻き鳴らし、昔より無邪気で楽しそうな笑みを浮かべながらバンドマンをやっている。それだけで俺は十分だ。SADS の頃に見られたリフワークのセンスが今でも生かされているようにも感じたし。


清春 @ SUMMIT STAGE

そして清春である。ソロのライブは初めてでした。近年はアコースティックのスタイルを突き詰めている彼。サポート陣はアコギとエレキのみの簡素な編成で、ステージには小さな照明が立てられ、薄暗い灯りに照らされながら電子タバコの煙をプカプカと浮かべる清春。実にリラックスした様子で彼自身もアコギを抱え、初っ端は「忘却の空」。シンプルな編成ゆえの緊張感を保ちつつ、優しさや物悲しさが静寂の中でひとつに溶け合うような、なんとも濃密な空気感が演奏の間ずっと続いていました。その空気感は続いてのソロ曲になるとさらに密度を増す。清春の憂いを湛えたヴォーカルは実に表現力豊かで、今の彼だからこそのディープな渋味が会場全体を包み込んでいました。決して平坦ではなかった長い旅を続け、流れ流れて辿り着いたソリストの境地。それは孤高という言葉がとても良く似合う。最近は黒夢の商標権がどうのこうのというキナ臭いニュースもありましたが、肝心の彼自身がこうやって説得力ある歌を聴かせてくれるのだから、きっと心配は無用でしょう。


MUCC @ SUMMIT STAGE

LADIESROOM の GEORGE とともに3日間のフェス MC を担当していた逹瑯、満を持しての本番です。オープナー「睡蓮」で豪快に放たれるへヴィネスと、EDM /ブロステップのド派手な装飾。また「KILLEЯ」では思いっきり「Silent Jealousy」のギターソロをぶっ込んできたり、「ハイデ」では郷愁を誘う暖かなメロディが広がったり、ほとんどとっ散らかってるとも言える幅広さなのだけど、ライブだとその場の勢いで強引に纏め上げ、否応なしに納得させてしまう肝の強さがある。そういやムックは昔からそういうバンドだったなあと。まあスクリーンにデカデカと「HEY! MOSH! MOSH! MORE!」などと映し出されるのはさすがにダサくないかとか(苦笑)、そもそも今の音楽性も賞味期限が切れるのが早そうな気もするのだけど、そういった路線の変化だって確固たる芯がなければ成り立たないものだし、今回のように器のデカいライブを演れる彼らならきっと大丈夫なはず。あと最後「TONIGHT」で何の紹介もなくラルク ken 参加。初日の無敵バンドには yukihiro も出てたらしい。来年はラルク主催で VJS やろうよ。


ゴールデンボンバー @ SUMMIT STAGE

いつぞやの V-ROCK FES 以来に見る金爆。ステージで何が起こっていたかはこの辺に詳細が載っているのでそちらを見て下さい。YOSHIKI 主催ヴィジュアル系フェスという場で最も威力を発揮する大ネタのオンパレード。「女々しくて」で YOSHIKI がスクリーンにババーンと映し出された時は、この3日間のうちで一番デカい歓声が沸き上がってました。改めて思うけど本当頭の良いバンドだよな。テレビでもそうだけど、彼らを見てると常に「負けた」とか「してやられた」みたいな感想しか出てこない。今年の紅白も期待してます。


cali≠gari @ JAPAN STAGE

いよいよゴールの見えてきた VJS 。演奏前には逹瑯と GEORGE がフェス MC として最後の出番を務め、「我々ムックを育ててくれた兄貴分」と紹介してくれました。密室ノイローゼ時代からのファンにとってこれほど嬉しい演出はない。いよいよ異端児の登場です。

この日はドラムサポートのみ加えたシンプルな編成。徐々に「オーバーナイトハイキング」のシンセ音が立ち昇り、洒脱で妖しく、仄かに哀愁の漂うムードを浸透させていく。決して交じり合わないけど不思議なバランスで共存する強烈な3人が、各自思い思いにフットワーク軽く立ち回る。改めて思ったのは、やはり彼らはアンダーグラウンドなのだということ。アッパーなダンスチューン「淫靡まるでカオスな」や、爽やかに疾走する「アレガ☆パラダイス」にしても、ニューウェーブニューウェーブとして有効であった時代の先鋭性をそのまま持ち込んでいて、単にフィジカルなだけではなく複雑なニュアンス、奇妙なフックもそこかしこに内包した、一筋縄ではいかないサウンドなのですね。また終盤の「サイレン」「クソバカゴミゲロ」では完全に暴走し、演奏も半分崩壊したカオティックな様相へ。愛想の良い MC は一切なし。今回の VJS でなかなか体感することのなかった狂気的なスリルを目一杯に享受できました。他の観客にとってもきっと何かしらの爪痕は残ったのではないでしょうか。この日のベストアクト。


LUNA SEA @ SUMMIT STAGE

久しぶりにご対面の御大。もう当たり前のように鉄壁のステージでした。意表を突いていきなりの「ROSIER」スタート、その後も惜し気なく投下されるヒットシングルの数々。すっかりベストアルバム状態のセットリストでファンも一見さんも確実にノックアウトしていたであろう盤石の態勢。なのだけど、個人的に凄く引っかかったのは復活以降の新曲が全く演奏されなかったこと。だって GLAYX JAPAN ですら新曲を交えていたのに、王道を踏まえすぎて一切の破綻なく進行していくライブは、穿った見方かもしれないけれど何だか後ろ向きの停滞感を汲み取ってしまう。次こそは現在進行形の彼らを見たい。彼らはこれからも突っ走っていくと高らかに宣言していたのだから。


X JAPAN は昨日一日でゲップが出るほど堪能したのでこれで帰りましたごめんなさい。色々書いたけど最終的に思ったのはひとつ。ヴィジュアル系が好きで良かったってことだよ。この先 X や LUNA SEA のようなビッグなバンドが現れてくれると良いですね。