The Pains of Being Pure at Heart 「The Echo of Pleasure」

The Echo of Pleasure

The Echo of Pleasure

ニューヨーク出身のバンドによる、約3年ぶり4作目。


例えば Ride における「Carnival of Light」だったり、Lush における「Lovelife」だったり、デビュー時の耽美的轟音からの脱却を目指して各々なりに試行錯誤のタームへと突入していくのは、もはやシューゲイザーバンドにとってのあらかじめ決められた宿命のようなもの。そして彼らもまた同様の道筋をこの新作で辿っています。シューゲイザーらしいノイズギターもいくらか残されてはいるものの、それ以上にキッチュな70~80年代風ニューウェーブポップの要素が台頭し、オープナー「My Only」のイントロで鳴り響くチープなシンセサウンドなどは思わず仰け反りそうになる。なおかつヴォーカルは楽曲の中で以前よりも明快に浮かび上がり、そこから発せられる清々しい青春っぷりは変わらないものだから、それこそ New OrderPet Shop Boys かというような、以前とはまた別種のレトロスペクティブな煌めきが放たれています。エレクトロシューゲということで言えば M83 の徹底された世界観に比べるとやはり見劣りするものの、程良くいなたさを残した歌モノを届けるという姿勢自体は変わらず、この親しみやすさこそが彼らの味ということでしょうね。

Rating: 7.2/10



The Pains of Being Pure at Heart - When I Dance With You (Official Video)