ゆらゆら帝国 「LIVE 2005-2009」
- アーティスト: ゆらゆら帝国
- 出版社/メーカー: SMAR
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: CD
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過去のライブ盤を聴いても明らかなように、ゆらゆら帝国がライブバンドであることに一切の疑いはありません。サイケやオルタナティブを飛び越えてプログレ/クラウトロックの領域へも足をつっこみ、リズム隊は人力によるテクノ的アプローチも取り入れ、結果ほとんど異形と化した後期の姿。まるで地獄の門が開くかのような迫力の轟音が立ち昇る 「宇宙人の引越し」 、リフもメロディも放棄され狂気的なノイズ曲と化した 「グレープフルーツちょうだい」 、間の抜けたリズムと艶めかしい歌声がネットリ纏わりつく 「やさしい動物」 など、もはや音源通りの形を保ってる曲の方が少ない。もちろんそういった実験性/変態性ばかりではなく、グルーヴ感2割増のライブらしい勢いが出た 「できない」 「あえて抵抗しない」 、メロウで柔らかな 「つぎの夜へ」 「空洞です」 といった良心 (?) も健在。そして新曲もあり。 「単なる穴」 「お前の田んぼが好き」 「いまだに魔法がとけぬまま」 、いずれの曲も確かに 「空洞です」 の延長線上で、このまま新作を作ることを良しとしなかった彼らのストイシズムも裏側からひりつく、というのは少々ファン心理すぎか。しかし改めてその存在感を確認。