cali≠gari 「14」

14 狂信盤

14 狂信盤

約1年半ぶりとなる、再結成後5作目のフルレンス。


最近の作品は「夏」だったり「ダーク」だったりと、全体のテーマというものがうっすら決められていましたが、今作はまっさらのノーコンセプト。その上でメンバー各々がカリガリらしいと言える楽曲を持ち寄るという、従来の「実験室」スタイルに回帰したところがあり、また10曲39分というコンパクトな構成も相まって、再結成以降の中ではカリガリという個性を最も分かりやすく把握できる内容ではないかなと思います。「マシンガンララバイ」「飛燕騒曲」といったジャンクな暴れ曲がある一方で、何処か懐かしさを覚えるエレクトロチューン「拝啓=BGM」やポジティブな開放感に満ちた「いつか花は咲くだろう」のようなポップ曲があり、また実験的アンビエントの「月白」、プログレ要素も突っ込んでヘヴィな空気感を醸し出す「死は眠りを散歩する」など、曲調はいつも通りバラバラ。しかしそれらの楽曲が並ぶと一本の線、カリガリらしさという統一感が不思議と浮かび上がる。変に奇を衒ったり捏ね繰り回してる様子は全く無い、むしろ自然体という印象すら受けるのだけど、その自然体の状態が既に異形という。この味はやはり彼らにしか出せない。

Rating: 8.0/10



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