DIAURA 「DEFINITION」

DEFINITION Atype

DEFINITION Atype

2010年結成の4人組による、ミニアルバムとしては2年3ヶ月ぶり4作目。


例えばジャズにしろメタルにしろクラシックにしろ、トラディショナルな様式を遵守する派閥と、他所のスタイルとのクロスオーバーを試みるなどで急進を図るオルタナティブな派閥、その右翼と左翼のバランスによって音楽ジャンルというものは成り立っていると思います。もちろんヴィジュアル系も例外ではない。「メイクさえしていれば音楽性は何でも良い」と謳われていたのも今は昔、ゴールデンボンバー「†ザ・V系っぽい曲†」が最大の決定打となってV系は良くも悪くも完全に「音楽ジャンル」としてのフォーマットを確立し、後進のバンドはその枠組みをどう生かすか、あるいはどう崩すかという所で様々な試行錯誤を練っているように見えます。そこでこの DIAURA はどうか。彼らなどは前述の話で言えばガッツリ右寄りで、メタリックに引き締まった演奏に端正かつ勇壮なメロディという現行のV系を律義なまでに踏襲しており、この新作でも路線変更はなし。V系としてはクセの少ない歌唱も相まって、決して王道からブレない優等生的な実直さがいっそ清々しいくらい。ただ「SPECIES」など特に、NWOBHM 的な渋味もそこかしこで感じられてグッときますね。

Rating: 7.0/10



DIAURA「断頭台から愛を込めて」MV FULL