メリー 「アンダーワールド」
- アーティスト: メリー
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: CD
- クリック: 25回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
メリーと言えば自らの音楽性を 「レトロック」 と称し、ヴィジュアルビートロックと昭和 GS 歌謡曲を融合させたニッチな楽曲を作ってきたわけですが、その狙い自体は良いものの今一歩殻を破り切れない、どうにも突き抜けきれないもどかしさみたいなものをずっと感じていました。でも今作を持ってその思いはついに払拭されましたね。今回はどの曲も刺々しく薄汚い音作り、パンキッシュなツタツタ2ビートで力一杯疾走というライブを強く意識した作風。今までは 「歌謡曲」 というスタイルに拘ったメロディ重視の楽曲が多かったんですが、そこからの方向転換が確実にプラスに現れてます。ひたすら前につんのめる性急なスピード感、初期衝動的な荒々しさでメロディの哀愁が暑苦しくブーストされており、血を滾らせるとともに強く胸を打ってくる。特に 「Friction XXXX」 「under-world」 「[human farm]」 「カナリア」 、あと異色の明るさを持った 「閉ざされた楽園」 なんかも最高。それ以外でもほとんど勢いを殺さず生き急ぐ高速パンクチューンの連打で身体を突き上げられっぱなし。正直メリーの作品でここまで良いと思ったのは初めてで、なんか感慨深さすら覚える。これが代表作でしょう。