睡蓮 「六花ノ音」

六花ノ音

六花ノ音

ミニアルバム3作目。タイトルは 「リッカノネ」 。


これをもって初期三部作完結とのことですが、ラストの今回が一番ストレートな作風のように感じました。前作 「ひたひた」 では様々な曲調やギミックを導入して多角的に聴かせていましたが、今回はメロディ等から仄かに漂う和風/歌謡風の匂い、藤井麻輝らしいノイズ/インダストリアル要素、そういった従来の核の部分を比較的シンプルな形で打ち出してる。暗闇を滑り落ちるような疾走感の 「腐葉土」 、窒息しそうな程の緊張感に満ちた 「月に泣く」 など、上モノはストリングスやピアノを交えてより歌謡チックに、それを支えるボトムはより無機質で冷徹に、各要素がハッキリ分化したまま曲の中で同居してると言うか。全曲ダークで殺伐とした空気に統一され、曲間をほとんど排したコンセプチュアルな作りになっており、このバンドの持つヘヴィネスのみを抽出したトータリティ重視の内容。個人的な好みで言えば正直前作の方が好きだし、無機質さが強すぎて仮にこれがフルレンスだとキツかったなという思いもありますが、焦点が完全に定まってるのである意味バンドの名刺代わりに成り得るし、面白いと言えば面白い。これらを踏まえたフル作がそろそろ来ると思いますが、はてさて。


Rating: 7.0/10
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