MO’SOME TONEBENDER 「STRUGGLE」

STRUGGLE

2年3ヶ月ぶりとなるフルレンス10作目。

ストラグル＝足掻く。ここ数年の彼らは本当に足掻いていたような印象を受けます。テクノに走り、ポップに走り、それを本来のオルタナティブ/ガレージパンクとどう折り合いをつけるかというよりは、やったもん勝ちみたいな投げっ放しの実験といったイメージがあって、その様子はどうも傍から見てて迷走にしか映らなかったし、前作の 「SING!」 なんかは悪い冗談みたいで正直全く受け入れられなかった。しかし今作ではそういった一連の実験がようやく実を結んだように思います。何よりロックバンドとしての強靭な肉体性がガッツリ戻ってきたのが大きい。初期への回帰を思わせるダークでひり付く緊張感に満ちたアグレッション。その牙でテクノを噛み砕きハンマービートに仕立てたその名も 「Hammmmer」 、音のエグさが素朴なメロディを歪なものに様変わりさせてる 「けだるいDays」 、轟々と渦を巻く殺気に満ちた 「Drum Song」 、リリカルな物悲しさと淫靡なムードが交錯するインスト曲 「七月二十日」 など。彼らはある意味くるりと同種で、寄り道大好きだけど結局のところ素直にやるのが一番格好良いのですよ。個人的には 「Rockin' Luuula」 以来のヒット。

Rating: 7.8/10
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