D'ERLANGER「J'aime La Vie」

約2年ぶりとなる8作目。


もはや彼らは周囲の流行り廃りであったり、脇道に逸れることをまるで気にも留めていません。ここにはダークで妖艶なメロディがあり、鋭く刺さるようなギターがあり、一際強い存在感でビシバシ身体を打ってくるリズムがある。ただそれだけ。デビュー時にはほとんど確立されていた D'ERLANGER ならではの個性が、ますます無駄を削ぎ落としたソリッドな形で、2017年度のアップデート版として提示されています。昨今すっかり主流となったメタル由来のヘヴィネスには寄らず、あくまでもフットワークの軽さ、エッジィな鋭さを持ち味としたアンサンブル。手数は多いけれどアレンジ自体は至ってシンプルなもので、80年代~90年代初頭のヴィジュアル系勃興期に隆盛を極めたビートロックを、至って忠実に、何なら正義感にも近い矜持をもって突き詰めています。冒頭「Harlem Queen」2部作のスリリングな展開から、サディスティカル・パンクの名に恥じないロックンロール「バライロノセカイ -Le monde de la rose-」、深い哀愁を湛えたバラード「Loveanymore」まで、D'ERLANGER として一切混じり気のない、あまりにも潔い一発。

Rating: 8.0/10



D’ERLANGER「バライロノセカイ-Le monde de la rose-」(MUSIC VIDEO)