NAHAVAND 「Vandalism」
- アーティスト: NAHAVAND
- 出版社/メーカー: ハピネット
- 発売日: 2019/05/08
- メディア: CD
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今作にプロデューサーとして名を連ねている Gotch は、インタビューで現代のヒップホップの音作りについて言及しているのを最近よく見かけます。いかにベースの波長を活かすか、それと同時に上モノの波長をどのように整理するかといった、海外のヒップホップ界隈で特に進んでいるサウンドデザインの変革に、我々はどう対応するべきかと。その答えをアジカン本隊でも模索しているだろうし、このヒップホップアクトにおいては尚のこと、言い方は悪いかもしれませんが彼にとって格好の研究材料なのだと思います。そんな Gotch そして彼らにとっての目標は今作で達成されており、US マスタリングも綺麗に功を奏しての、ヘヴィかつクールに低音の効いたトラップチューンがずらり。ただもちろん単なる模倣には終わらず、そこにギタリストが叙情的なコード進行を加えることで楽曲に分かりやすいメリハリがついている、その点からはロック由来の味も確かに感じられます。特に「マルセロ」や表題曲「Vandalism」などは新種のミクスチャーロックと言えるものだし、特定の派閥に寄らないオルタナティブとしての姿勢が表れた、なかなかにパンチの効いた内容かと。
Rating: 7.7/10