GOATBED 「COLORLESSBALANCE」

COLORLESSBALANCE(通常盤)

COLORLESSBALANCE(通常盤)

オリジナルアルバムとしては4年半ぶりとなる新作。


これまでの経緯をおさらいしますと、そもそもはバンド編成による生演奏と打ち込みの折衷で、New OrderDead or Alive などの影響色濃いニューウェーブスタイルを志向していたのが、2012年作「HELLBLAU」からそのバンド編成を解消して本格的にテクノ/エレクトロニカ方面へと舵を切り、従来の歌モノの形式に囚われない実験的な楽曲を目指すようになりました。そしてそれ以後はテクノと歌の配分、また鳴らす音の質感を微調整し続け、この久々の新作がその微調整したバランスの最新モードというわけですね。それで今作の印象としては、良くも悪くも今までで一番コンセプトが無いというか、えらく自由さが際立ってる。無常観に由来する切なさが滲み出た「点として散らばって」のようなポップ曲があれば、「GIOVE」「BLUE MAC ANDREAS」などガチガチのダンストラックもありで、圧の強めなビートと冷徹なムードだけを維持しながら、一点に留まることなくあの手この手を駆使してくる。しかし全体的には曲の粒が不揃いでチグハグな印象があり、その自由さがあまり奏功していない気もする。ただ彼らの個性のアクが特に強く出た作品でもあると思います。

Rating: 6.4/10