Deerhoof 「Future Teenage Cave Artists」
- 発売日: 2020/06/19
- メディア: CD
ディアフーフと言えば昔から、楽器隊はやたらとやかましく、リズムは複雑に入り組んでいて、だけどメロディや歌詞はファニーで可愛らしく、ふわふわしたヴォーカルはまるで子供みたいなあどけなさで、それらがひとつに重なった楽曲は何だかとても…楽しい！というのが常だったわけですが、それがアルバム毎にポップ寄りになったり、実験寄りになったりといった微妙なバランス調整をずっと続けていて、それで今作はどうかというと、カラフルさや曲調の幅広さが特に目立っていた前作の反動もあってか、随分と実験寄り、ともすればダークで閉塞感の強い印象すらも受けます。全体的に各パートの音量がひどくアンバランスなため居心地の悪さが通底し、いつも以上にノイジーな意匠も多く見られたりでローファイな感触が強く、元のバンドサウンドを解体～再構築していく手付きがやけにアグレッシブ。そのせいで「O Ye Saddle Babes」などで打ち出しているファンクグルーヴや、「Fraction Anthem」の柔らかく夢見心地なムードまでもが妙に毒々しいものに感じられる。そして最後を飾るのは何故かバッハ「I Call on Thee」のカヴァー。これはディアフーフ流のゴスか？
Rating: 7.2/10
Deerhoof - Future Teenage Cave Artists (Official Lyric Video)
