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BUCK-TICK エッセンシャルトラック私的10選

FEAT

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去年はカッとなった勢いでこういうのを書いたのですけども、今年はきっちり CLIMAX TOGETHER 3rd に向かう予定の俺ですごきげんよう。このタイミングに合わせて、自分が考える BUCK-TICK のキャリアの中でも特に重要な楽曲、言い換えれば今度の CLIMAX ~で(たとえ望みがなかろうと)演奏してもらいたい楽曲を挙げております。ファン以外の方もご参考にどうぞ。以下順位なし、年代順に10曲。



SEXUAL×××××! (1987)

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×××××に何が入るかって? INTERCOURSE だよ馬鹿野郎。記念すべきデビューアルバムの表題曲。ドギツいメイクとは真逆を行くイヤに爽やかで甘酸っぱいメロディ、逆にどうやって音作りしてるんだというおもちゃのようなガシャガシャした線の細いギター。The Cure で言えば「Boys Don't Cry」と同等の、まるで晴れ渡った空の下、学生の文化祭のステージで臆面もなく鳴らされるようなポップソング。しかしこのポップさが現在の B-T の主軸として連綿と受け継がれているのは確か。




ICONOCLASM (1989)

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今井ちゃんが初めてインダストリアルの萌芽を見せたライブの定番曲。淡々と直線的なグルーヴを叩き付けるハンマービート、嫌でも頭にこびり付くゴリ押しのギターリフ。下手すると後進の海外インダストリアル・メタル勢よりもずっと実験的な曲構成、にも関わらず妙な中毒性、キャッチーさがあるのが B-T 流のセンス。ただ映像にもある通り92年の CLIMAX TOGETHER で披露済みなので今回演奏する可能性は低いでしょうね。




キラメキの中で… (1993)

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90年代に入り、死と生の匂い立ち込めるダークサイドの荊道を本格的に歩み始めた B-T 。この楽曲ではレゲエ/ダブ要素を大胆に導入していますが、そのレイドバックしたグルーヴがリラクシンな雰囲気では全くなく、むしろ呪術的な禍々しさを助長させるというアイディアに脱帽せざるを得ない。フリーキーに反復するギターノイズも楽曲の狂気を弥増し、ちょうど Public Image Ltd. に通じる変革の痛みすら感じます。この頃の彼らのキレっぷりはやはり半端ではない。




キャンディ (1996)

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B-T の楽曲の中でもメロディのポップさで言えば確実に五指には入る。しかしその華やかさに真っ向から汚物を投げつけるかのように、サウンド面はヒステリックなノイズ盛り沢山。キャッチーとマニアック、光と闇の相反する方向へとダイナミックに振り切れた秀曲であり、90年代という括りで見れば割と異色な楽曲でもあります。歌詞も一見ラブソングだけど相当にブッ飛んでる。ただこれも04年の CLIMAX TOGETHER で披露済みですね。ちぇっ。




月世界 (1998)

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ドラムンベーストリップホップに傾倒し、全キャリアを通じても最たる実験期であったマーキュリー時代。サビの歌詞においては未だかつてこんなにリリカルで優しい「月世界」が描かれたことがあっただろうか、という美しさなのですが、楽曲自体はもはやシングルにおいても一般受けをほとんど手放してるとしか思えない暗黒っぷり。当時の SEXY STREAM LINER ツアーでは未発表の新曲としてこれがアンコールのラストに据えられていたという。鬼かよ。そしてこれも02年 CLIMAX ~で披露済み。




Baby, I want you. (2000)

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00年代に入ってからリビドーがデストルドーを決定的に上回り、極めて肉感的でポジティブな欲動が漲り始めた B-T 。これまでの実験の数々をすっかり消化し、あくまで享楽的なロックンロール、ケバケバしいポップソングとしてドロリと吐き出した「ONE LIFE, ONE DEATH」のオープナーがこちら。新しい時代、新しいモードを鮮烈に提示した痛快この上ないアッパートランスチューンです。この路線は後の「独壇場Beauty」「エリーゼのために」といった看板曲にも繋がってる。そういう意味ではこの曲が B-T の新しいスタンダードとも言えます。




FLAME (2000)

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そしてこちらが「ONE LIFE, ONE DEATH」のクローザー。他にも B-T のバラードソングはいくつかありましたが、例えば「die」や「鼓動」などと比べるとこの曲はずっとパーソナルで素朴な歌詞世界。ふたりの間、自分の胸の内だけで燃える青白い炎。その情景/感情描写が今までとは別のリアリティを持ち、歌の暖かさが自然と琴線へ触れてくる。無闇に大袈裟な愛情ではなく密やかな恋をこうやって繊細に、なおかつ壮大な広がりを持って表現できるのも進化の証でしょう。




夢魔 - The Nightmare (2005)

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彼らのルーツのひとつである「ゴシック」へと意識的に立ち返った「十三階は月光」。この楽曲は一応4つ打ちダンスビートではありますが、ゴシックとしての純度の高さは B-T の全キャリアを見渡してもやはり異色。この勇壮かつ幻想的な音世界、櫻井敦司のシアトリカルなヴォーカルに合わないわけが無いんですよね。もしかすると彼の歌が本来在るべき、正しい場所にビシッとハマった瞬間でもある。まあ B-T の場合は敢えての「正しくなさ」が面白いというのも多々あるのですけどもね。




真っ赤な夜 (2008)

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チャレンジングな実験性に耳が行きがちだけど、オーセンティックなパンク/ロックンロールだって B-T を構成する重要な成分のひとつ。今井ちゃんの Lucy で特にフィーチャーされていた側面でもありますが、それが本隊で割増しに現れたのが「memento mori」であり、そのオープナーがコレ。肌にジリジリとひりつくような焦燥感、少しばかりグラムな感触も見られるセクシーさ、そしてすっかり堂に入った凄味。かつて「愛しのロック・スター」で皮肉を吐いていた彼らは、その虚像を超えてリアルな説得力を持ったロック・スターと成ったのでした。




無題 (2014)

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そして現在の B-T が誇る表現の最深部がここ。何かが憑依しているとしか思えない櫻井敦司のあまりにも壮絶で悲痛な歌、その説得力には改めて平伏すばかり。彼らがデビューから四半世紀を超えてなお進化を続けている、その強烈な爪痕を現時点の最新作でも残しています。ルナフェスでの彼らの演奏はこの曲で締め括られていたそうで、その現場の空気感を想像するだけでも行かなかったことに対して歯噛みするばかり。俺はもうだめだ。




以上です。まあさすがに10曲に絞るのはいささか無理があるんですけども、上記の楽曲はいずれも B-T のキャリアに置いて重要なポイントだったのではないかなと思います。果たして数日後の横浜アリーナではここからどれだけ演奏されるでしょうかね?