SUMMER SONIC 09 OSAKA 2日目
昨日に続いてサマソニ2日目です。
この日は見事にピーカン照り。うっわ日陰でも座ってるだけで汗が噴き出してくる…。何もしてないのに散々はしゃいだ後みたいになってて、こりゃたまらんと思いほとんど舞洲アリーナに引きこもり。今年からダンスステージが野球場横のテントから舞洲アリーナ1階に移動したし (この判断は本当正解だと思う) トイレも並ばず入れるし椅子に座れるしここすっげ快適だわーとか思いながらユルユル始まるの巻。
school food punishment @ DANCE STAGE
本日もオープニングアクトからスタートです。今年のブレイク候補であり個人的にも期待してる sfp 。サポートギタリストを加えた5人編成で登場し、初っ端の 「pool」 で何だかやたらと涙腺を刺激される。メロディだけを追えば清涼感あるガールズポップとして真っ当に聴けるのだけど、直線的グルーヴの中に要所要所で変拍子が入ったり、ギターやキーボードがノイジーな音を出して大きく主張したり、アンサンブルの濃さでもグッと耳を惹きつける。メジャーデビュー後は会社の力かしら、何かとタイアップつけたりして足元浮ついてないか若干不安だったんですが、シングル曲聴いた限りでは変に軸がブレたりはせず、元の基盤を保った上でポップさを増してる感じだし、落ち着いた演奏でしっかり自分達の個性を出してる、なかなか良いアクトだったんじゃないかと。欲言えば 「flow」 「feedback」 とか聴きたかったけどね。
SCHOOL OF SEVEN BELLS @ SONIC STAGE
初めて聴いた。ニューヨークの双子姉妹と男性ギタリストによるスリーピース。シューゲイザー的ギターノイズとエレクトロニカのリズムを融合させ、さらに女性ツインヴォーカルのハーモニーを重ねて幻想的で仄かにダークなサウンドを展開。音の塊が密度を保ったまま会場中に膨張していくようで、美しい儚さの中に緊張感を貫いた楽曲に自然と惹き込まれました。終盤では雲間から光が差すようにメロディが陽性の輝きを見せ、徐々に開放的になっていく流れも良かった。これは見っけもんでしたね。やはり M83 といい Asobi Seksu といい、ネオシューゲイザーの若手はツボにハマり易いのが多い。非常にうっとりしました。
GIRL TALK @ DANCE STAGE
ペンシルヴェニア出身 Gregg Gillis のソロユニット。開演前にスタッフらしき人がやたら客に話しかけては関係者エリアに連れて行かれてたけど、開演になるとその客が皆ブワーっとステージに雪崩れ込み、フロアもステージも賑やかにダンスパーティ。さらに女性パフォーマーが紙吹雪やトイレットペーパー撒き散らしたりとカオスに近い状態。 Gregg 本人も超ハイテンションでラップトップ弄りながらピョンピョン跳ねたり煽ったり。そんで楽曲は色んな曲の断片がサンプルとしてビートの上に散りばめられた所謂マッシュアップ/バスタードポップ。 Wikipedia 見てもどんだけ詰め込んでんだってくらいジャンルレスに雑多な曲が使われてて、俺も聞き覚えのあるフレーズがチラホラ。うーんでも、ちょっとビートが大味すぎてノリ切るまでには至らなかったです。去年の Fatboy Slim でも思ったけど、盛り上げ方が安易な気がしてね…。
PARAMORE @ OCEAN STAGE
この日唯一の野外。新メンバー紹介してたけど今は5人組なのかしら、テネシー出身のエモ/パンクバンド。2007年の 「Riot!」 は本当よく聴いた傑作だったのでこの日も楽しみにしてた。ヴォーカルの Hayley 嬢は思ったよりも小柄で、ビビッドなオレンジの髪を靡かせながら目一杯はしゃいで煽る。はしゃぎ過ぎてあんまり声出てない場面もチラホラなのはご愛嬌ってことで。それに対してバックの男性陣は比較的落ち着いた演奏で、勢いの中に安定感のある骨太な音を鳴らしてました。 「Misery Business」 「Crushcrushcrush」 「That's What You Get」 等々キャッチーでノリやすいポップパンクの応酬。やっぱりこのバンドは単純に曲が良いですね。あと10月に新譜が出るらしく、そこからの曲も幾つか披露してましたが、やはり以前とあまり変化のないポップパンクスタイルで、この辺はちゃんと聴いてみないと良し悪しの判断つけにくいなと。とりあえず聴きたかった曲は大方演ってくれたので満足。アドレナリンの分泌が終わると即座に暑さで心が折れそうになるので急いで避難。
MEW @ SONIC STAGE
デンマーク出身のギターロックバンド。俺も多分に違わず 「Frengers」 でヤラれたクチです。この日は5人編成での演奏。オープナーは 「She Spider」 の新アレンジで、メンバー全員シックな白黒衣装で徐々に現れるんですが、ヴォーカルの Jonas がマイク持って歌いながら登場したのには脱臼しそうになった。昭和の歌謡ショウじゃないんだから。そして新譜からの曲を幾つか演ってましたが、何かさらにアンサンブルが複雑でマニアックな方向に走ってるなーと思った。もちろんそこにミュウらしさは存在してるんですが、 「Frengers」 から 「And The Glass Handed Kites」 で結構な変化を見せてたのに留まらず、さらにバンドは変化していってるのだな…とか考えてたらいきなり 「Am I Wry? No.」 !続いて 「156」 !キター!しかも終盤には 「Zookeeper's Boy」 に 「Snow Brigade」 まで飛び出して軽く泣きそうになった。ヴォーカル若干音外し気味だったけど (笑) 、とりあえずこれだけ好きな曲演ってくれれば文句はないです。またバックのスクリーンには何処かしら捻れたダークネスを孕んだ不気味なメルヘン世界の映像が流れ、このバンドならではの世界観を十分に表現してたと思います。満足の内容でした。
MOGWAI @ SONIC STAGE
何だかんだでライブ見るのは初めてです。所謂ポストロックの始祖の一つ。大雑把に言えばギターの重層で静寂と轟音の行き来を繰り返してるわけですが、実際に生で音聴いて思ったのは 「音の緻密さが違う」 ということ。やはりずっとその筋でやってきた大御所は違うのか、同じ爆音轟音でもメンバー各々の鳴らす音が重なり合った時の密度の高さ、質の重さが計算し尽くされていて、曲が動的パートに移行した時には身体にひしひしと圧し掛かるような力強さを持って響き、どれだけ音量が巨大になってもその緻密さが損なわれないのが凄い。それを演奏に没頭しすぎるわけでもなく、プレイ一つ一つを冷静に、堅実にこなしていく様はまさに 「職人」 の言葉がピッタリ。正直曲の違いはほとんど判別つかないんですが、モグワイという確立されたスタイルの一つを十分に堪能できたので良かったです。ラストでは鼓膜を破る勢いのフィードバックノイズをひたすらに撒き散らして終了。圧巻。
APHEX TWIN @ SONIC STAGE
今年のサマソニで俺が最も期待してたアクトがこちら。一応過去の作品はチラホラ聴いたことはあるんですが、ライブではどんな形態でどんな演奏するのかまるで想像がつかず、あえて予備知識は入れずに臨みました。ステージにはスクリーンが3つと、中央に簡素なラップトップのセット。開演時間になり場内が暗転すると、その中央にいつの間にか Richard D. James 御大が鎮座。しかもたまに照明がかする以外は逆光状態で全く顔が見えず、アレ本当に本人か?と疑惑の念すら湧いてくる。替え玉とか彼ならあり得なくもないし…。それで内容はと言うと、アンビエント、レイブ、ドラムン (ドリルン) ベース、 IDM と多岐に渡る彼の作風全てを巧みにミックスし、繋ぎ合わせたもの。レイブの部分は真っ当に踊れる感じだから良いものの、それ以外では不可解なエレクトロサウンドが静かに流れたりヒステリックに暴れたり、それに合わせてバックの映像も幾何学的でサイケデリックだったり人の顔をグチャグチャに弄ったり、挙句の果てにスカトロやら人体解剖やらのグロ画像まで飛び出したりと、一見さんを篩にかけまくる約80分ノンストップの精神刑のような一時。是悪夢也。しかしこれが蛇に睨まれた蛙みたいに神経を麻痺させられ、思わず釘付けになってしまうほどの異様な磁場を放ってる。良いとか悪いではなく、強烈に個性的で凄いというのは分かるという感じ。改めて彼のカリスマチックな異能っぷりを再認識させられました。演奏が終わって気づくと御大は音も無く消え失せてた。
そんな感じで2日目終了。この日のベストは…ううーむエイフェックスかな。パラモアとミュウはかなり個人的バイアスがかかってるし。最終日に続きます。