FKA twigs 「MAGDALENE」
![Magdalene [解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック1曲収録 / ステッカー封入 / 国内盤] (YT191CDJP2) Magdalene [解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック1曲収録 / ステッカー封入 / 国内盤] (YT191CDJP2)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51v4IE%2Bc5yL._SL160_.jpg)
Magdalene [解説・歌詞対訳付 / ボーナストラック1曲収録 / ステッカー封入 / 国内盤] (YT191CDJP2)
- アーティスト: FKA Twigs,FKAツイッグス
- 出版社/メーカー: BEAT RECORDS / YOUNG TURKS
- 発売日: 2019/11/08
- メディア: CD
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自分は彼女に対して恐怖、畏怖の感情を二度抱いています。最初はフジロック出演時。その時の彼女は徹底して抑揚を抑えたヴォーカルスタイル、体温をほとんど感じさせない先鋭的なエレクトロサウンド、また高速ヴォーギングなどのパフォーマンスも含め、容易には近寄りがたいシャーマニックな聖性、すでに人間離れした神秘的なオーラを放っていました。しかしこの新譜ではその様子に大きな変化が見られます。婚約破棄、子宮筋腫の摘出といったヘヴィな出来事を経た上で作られた楽曲は、よりパーソナルな悲哀や苦悩の感情に焦点が絞られ、恋人の心境の変化にどうして気付けなかったのか、どうして何も出来なかったのかという心の弱さまで明け透けに晒しています。その激しい感情の揺れを余すことなく表現するため、曲調の幅は明らかに拡大。R&B ポップへと大胆に接近した「sad day」「holy terrain」、インダストリアル風の攻撃性が唸る「fallen alien」、そして直情的なピアノバラード「Cellophane」など。いずれも自身の血肉を切り売りしているかのような悲痛さで、聖性どころか、あまりにも生々しい人間臭さに戦慄を禁じ得ない。これが二度目の恐怖です。
Rating: 9.0/10